経歴
私は大学で社会福祉を、大学院で臨床心理学を学び、人や集団の心理や行動原理について研究を深め、修了後は教育や福祉現場のコンサルティング業務が含まれる専門職としてキャリアをスタートしました。
特にソーシャルワーカーとしては、学校経営におけるチームづくりを軸に、10年間教育支援に携わってきました。管理職の考える課題を解決するために組織の中に入り、働く環境を整えていくことにやりがいを感じ、コミュニケーションの質がよくなるようにさまざまな仕掛けをつくっていきました。環境を整えるプロセスでヒアリングすることは重要な仕事の一つですが、組織の中で働く人だけでなく、組織を率いるリーダーの孤独や葛藤にも深く共感し、サポートの必要性を強く実感するようになりました。
また直近5年は産業保健におけるメンタルヘルス支援としてリワークプログラムの開発とグループワークの実施をのべ6,000人以上の人に提供しています。これらの経験を通して、組織開発や企業研修、コーチングと学びが広がっていきました。
実績
これまでに関わった企業は、創業から数年経ち、事業の成長とともに組織の課題が顕在化してきた会社が中心です。具体的には、社員30名規模の企業でエンゲージメント向上のための研修実績があります。そのプログラムの一部には、メンバー間のコミュニケーション研修やリーダーの意思決定力向上を目的にしたワークなど、座学よりも体験学習を多く取り入れているのが特徴的です。
特に、「人間関係の質的変化」が企業の生産性向上や持続的な成長に直結することを実感し、組織心理学の視点を活かしたアプローチを重視しています。また個人の成長変化を促進するために、チームリーダー(係長クラス)をコーチング(1on1)で支援しました。そのほかには、公的機関の初任者研修や3年目研修、一般のボランティアの方々への研修を通して支援してきました。
大切にしていること・価値観
私が仕事の中で最も大切にしているのは、「関係性の質を高めること」です。
組織において、優れた戦略や制度があっても、それを実行するのは「人」です。人と人のつながりが良好であることが、成果を生み出すための土台になると考えています。そのため、対話を通じた関係性の再構築を重視し、リーダー自身が自己理解を深め、周囲との関係性を再定義できるようなサポートを行っています。
例えば、チームメンバーの仕事ぶりに辟易されるリーダーもいると思いますが、そのメンバーを「困った人」という目でみていれば、いつまでもその人は「困った人」のままです。リーダー自身の中の思い込みや前提が関係性に影響を与えているからこそ、内省は関係性の質を変えるためには欠かせません。
「困った人」を「困っている人」という視点にかえ、上司自らメンバーをサポートできるようになるための行動変化を促すのが、私たちの得意とするところです。
想い
私は、これまで「人と人とのつながり」を大事にして仕事をしてきました。
例えば、組織開発やファシリテーションを通じて、たくさんのリーダーの孤独な声を聴いてきました。リーダーはポジションが上がっていくにつれて、責任が増し、望んでもないのにメンバーとの距離が開いたように感じてしまって、いつしか誰にも相談できなくなる人は多くおられます。実際、相談できないことも山ほどあるでしょう。
また、女性活躍の先駆けとなった現在50代の女性リーダーは、男性社会の中で多くのことと引き換えにそのポジションを確立していったパイオニアです。こういったリーダーたちに敬意を表したいという思いがあります。
ほかにも若手社員やベテラン社員のジェネレーションギャップなど、組織の中で起こっている課題はたくさんあると思います。ただ「分かり合えない」と嘆くことに止まらず、事象レベルで捉えることを超えて、みえないものに光を当てることで、現状を変えることができます。
組織間やチーム間の「分断」されたつながりを再度「つなぎなおす」ことや、こんがらがったつながりを「整える」こと、また新しいつながりを「つくる」ことは、私がこれまでソーシャルワーカー時代に行っていた実践と変わりません。そこにいるすべての人の価値が発揮される機会となるよう研修などを提供させていただいております。
組織の人間関係やリーダーシップ、女性活躍についてさらに良くしていきたいのであれば、ぜひお問い合わせください。あなたの組織の課題に寄り添い、共に解決策を見つけていきます。