外部の専門家を入れたとき、社内に起こる反応

はじめに: 「外部の人が入る」とき、社内で何が起こる?

組織が成長し、社長が「そろそろ組織開発に手をつけよう」と考えたとき、まず直面するのが「社内メンバーの反応」です。

社長が外部の専門家を入れると、社員の中には「これって自分たちにとって何の意味があるの?」という疑問や不安・不満を抱く人が必ず出てきます。

  • 「社長が、外部の人の意見ばかり聞いている」「自分たちを信頼していない」
  • 「専門家が何をするのかわからない」
  • 「自分たちの仕事がやりにくくなるのでは?」
  • 「現場のことを知らない人に、口出しされたくない」

これらの不安・不満が放置されると、「外部の専門家=敵」 という認識が社内に広がってしまい、組織開発のスタートがうまく機能しなくなることもあります。

本記事では、なぜ社員は不安・不満を感じるのか? その心理と対処法 について解説します。


1. メンバーが感じる「外部の専門家」が介入することの不安・不満とは?

① 「社長が外部の人ばかり見ている」と感じる

今までは社長が自分たちの意見を聞いてくれていたのに、急に「専門家の話ばかりしている」 という状況になると、社員は疎外感や不信感を覚えます。

「社長は自分たちを信じていないのでは?」 「なぜ社内の意見よりも、外部の意見を重視するのか?」 

【対策】 社長は「組織開発の目的」をメンバーにしっかり伝える。

  • 「外部の専門家はあくまでサポートであり、決めるのは私たちである」
  • 「専門家の意見を聞くのは、社内の意見をより活かすため」

② 「現場のことをわかっていないのに、口を出されるのでは?」という不満

専門家は組織開発のプロですが、現場の仕事を実際にやっているわけではありません。

「外部の人間に何がわかるのか?」 「社内のリアルな課題を、表面的なデータやヒアリングだけで判断されるのでは?」

【対策】

  • 「現場のみんなの声を聞いたうえで進める」ことを明確にする。
  • 専門家とメンバーが直接対話する機会を設ける。

③ 「仕事が増えるのでは?」という心配

「組織開発をやる=新しい仕組みやルールができる」

社員は、「これによって仕事が増えるのでは?」と無意識に警戒します。

「これって現場の負担が増えるだけじゃない?」 「今の業務で手一杯なのに、新しいことをやる余裕がない」

【対策】

  • 「仕事を増やす」のではなく、「やりやすくする」のが目的 であることを社員と共有する。

2. どうすれば「外部の専門家=パートナー」という認識になるか

「専門家に丸投げしない」姿勢を明確にする
「専門家にすべてを決めてもらう」のではなく、 「専門家の支援を受けながら、社内で解決策を作る」ことが重要。

「決めるのは自分たち」であることを伝える。

メンバーに「専門家を活用する意味」を伝える
「自分たちの意見をもっと活かすために、専門家が入る」 「一緒により良い組織を作るパートナーとして活用する」

専門家は「指示をする存在」ではなく、「社内の力を引き出す存在」 であることを伝える。

専門家とメンバーが直接コミュニケーションを取れる場を作る
「メンバーが専門家に直接質問できる」「現場のリアルな課題を話せる」場を作ることで、 「一緒に考えるパートナー」としての認識を持ちやすくなる。

「現場のリアルな声を伝えられる環境」を作ることが大事。


3. まとめ: 外部の専門家は「伴走するパートナー」

  1. メンバーは「社長が外部の人ばかり見ている」「自分たちを信頼していない」と感じると不安や不満を感じるになる。
  2. 「専門家に決められるのでは?」という懸念がある。
  3. 「仕事が増えるのでは?」と警戒する。

だからこそ、社長が「決めるのは私たちである」ことを明確にし、専門家を“伴走するパートナー”として活用する姿勢を示すことが大事。

専門家導入の目的は、社員の力を引き出し、組織をより良くすること。

「外部の専門家を入れる=社内を変えるための“敵”ではなく、“自分たちの成長をサポートする味方”」という認識を持つことで、組織開発がスムーズに進みます。

MATSURIでは、ワークショップや研修の前に社員と直接対話し、現場の課題や気になることを事前に共有する場を設けています。また、研修後には希望に応じて1on1のメンタリングやコーチングも実施し、学びが実践につながるようサポートしています。